バラモン教とは

インドの宗教は、アーリア人の宗教であるバラモン教が中心だった。この宗教は、人々を4つの階層に分けた。いわゆるカースト制である。最上位をバラモンという。

 

高度成長によって豊かな人々が増加してくると、司祭者階級よりも商人や農民などの(有産階級)の力が強くなってくる彼らは財力を蓄えるとともに、自由な発想を持つようになる。

 

『農民(有産階級)が、使用人を使って牛に鋤くを引かせて田畑を耕していると、バラモンがやってきて、牛を連れていってしまう、これからお祭りをやるから牛を焼いて、神様に供養するのだと、反抗すれば、神様がお前の牛を欲しておられる。お前は神様に反抗するのか?』有産階級たちは、神様に反抗するのかと問われると反論の余地がなかった。

 

バラモン教の教えでは、人は死後、煙と共に空中に舞い上がり、祖霊の世界に達すると信じられていた。なので、バラモンたちは儀式や祭典があると、必ず大量の生贄を捧げる、主に牛を焼く。

 

そこに仏教徒ブッダマハーヴィーラが現れた。ブッダは「無益な殺生はするな」と教え、マハーヴィーラジャイナ教は「無条件の不殺生」を主張していた。この仏教徒の教えに、有産階級たちは飛びつき、バラモンが牛を持って行く時、「私は仏教徒です。動物を殺すことは私たちの教えでは禁じられている」と反論するようになる。

 

その結果、都市を追われる形となったバラモン教は地方へ移ることになる。この苦い経験からバラモン教も学び、インドの土俗的な宗教観を取り入れて、わかりやすく大衆的になり、そしてヒンドゥー教と呼ばれる、インドの大宗教に発展していくのです。

 

現代のインドでは牛が聖獣となっているのは、「牛を食べるな」の声があまりにも強かったので、ヒンドゥー教が発展してからも、牛を食べなくなったと言われている。